∴ 君は強くて美しいほんとゴメンね

連日の腹痛も嘘のように目覚めた私。
待ちに待ったお休み、今日はどこへ行こうかとドキドキしながら少しネットをはじめました。

とまこさんご夫妻が奈良の飛鳥へツーリングへ行かれたという記事を拝見した瞬間、その写真にZOKKONになってしまった私、
これはもう、行きたい行きたい！今行きたい！！　今すぐ、そう　そうだ！！
今　す　ぐ　だ！！！


先日の針テラス入りもあったおかげで、奈良なら行けるのではないかという期待を胸にMapFanでルートを検索します。

▼結果


なんと片道110km程
有料道路も400円程

これ！これ、行ける！行くしかない！行くしか、いく　し　か‥



ん？(O_O；)




・知らない道
・長距離
・初心者な自分
・苦手なカーブ
・峠

方向音痴には定評のある私に、知らないロード＆峠はいささかハードルが高い。
そうだ、まずは知ってる道で練習だ‥、と満開の彼岸花に名残惜しい気持ちを抱きながらも、そっとパソコンの電源を落としました。
大丈夫、彼岸花はまた来年も咲く‥！！

今日は距離を伸ばすより、やっぱりアクセルもブレーキもギアも全部つかってクネクネ道を走ろう！とばかりにちゃっちゃと準備を始めます。
そのときの私は浮かれるばかりで後に我身に降りかかる事件のことなんて知るよしもなかったのでした‥。


（つづく）


















と、引っ張りたいのですが、あまりにも続くと忘れてしまうので引っ張れません。
引き続きもうすこしお付き合いくださいまっせ



さてさて、今日目指すのは先週もツーリングに行ったパールロードです。
あの気持ちよさ、忘れられません。
ゴールを途中の展望台に設定することで、なんだかやりきった感が生まれます。
そこから先もパールロードは続くけど、そちらへも足を伸ばしてしまうと帰ってこれないかもしれません。

前回は友達に着いていくのに必死で景色や写真をとる暇もなかったので、今日は私もバリ君の写真を山ほど撮ってやるんだと充電MAXなデジカメをカバンに忍ばせ張り切りました。

見て下さい！（↑）
この、カーブを背にしたバリ君の姿！なんて凛々しい！なんて勇ましい！なんて優雅！！君は王子か！！！
好き！決めた！わたし彼（バイク）と結婚する！！
痛い発言をすみません。けれど私はもはや幸せの絶頂、
目の前を通り過ぎていく車やバイクに目もくれず、夢中に、やたらローアングルで写真をとりまくり、ひとしきりこのワンスポットでの写真撮影には満足しました。


次のナイススポットを求めて発進します。
ここで、どうやらギアの入り方がおかしかったようで、発進できないのにおもいきりアクセルを開けてしまいけたたましい音が！なんという野生！！なんというワイルド！！なんというアグレッシブボーイ！！！

しかしそれが良かったのか、その後は気持ちよく発進、加速ができていきます！
今まで6000～8000回転で我慢していたのは私だけじゃなくてバリ君もだったのかもしれません。
そう思うと、今、彼の期待に添えたような気持ちになってしまい嬉しくて仕方ない
まるでキツネリスに心を許されたナウシカ気分！！つまり絶好調！！



さあ、ステキスポットとして狙いを定めたのは定食屋さんの駐車場です。
既にライダーさんが食事をしているらしく、駐車場には大きなバイクが止まっています。
食事の予定はありませんが、ライダーさんがいる！というだけで嬉しくなってしまいます




駐車場にINして
ブレーキで減速、
ギアを下げて、
ストップワアアアアアアアア！！！！！




転

倒







山道の途中にある定食屋、
当然駐車場も傾斜。


傾斜、なめたらあかんぜよ‥


左足をつくものの、バランスを大きく崩して右側に転倒。
私は無事です。
でもバリ君が！！！ピカピカのマフラーが！！！！



アスファルトとキスしたバリ君にジェラシーどころか、氷の女のように冷静な女の姿がそこにありました。

そう、経験は、人を強くさせる‥！


本能が前回の転倒の経験をフルに生かせと叫びます！！
しっかり力をいれて持ち上げてみる。




が、駄目‥。。。



なるべく傷が広がらないように、そっと彼を横たわらせます。


①ガソリンが漏れる
②無理に引き起こそうとしてタイヤがすべると引き起こせないどころか余計にアスファルトにズリズリと擦って傷が増える
③起こすなら確実に一回で！


つまり、



ＳＯＳ！！！！




「すみませーん！！！」

バリ君の側をなるべく離れたくない私は大声でお店にむかって呼びかけます。


「すみませーん！！！」


人見知り、そんなものはパールロードの入り口に置いてきた！



「すみませ」
「倒したんかァァァァ！！！」


！！！！(ll０艸０ll)！！！！


現れたお店のご主人は、かなりご年配のようですがその風貌、こ、こわ　こわい‥！！
７０％元気を失う私。


「す　すみません、一緒に起こして下さい」
「そんなもんお前！！！」

かなりお怒りなご主人ですが、バイクの扱いには慣れているようで、私に指示しつつバリ君のハンドルをしっかり握って引き起こしを手伝ってくれました。


「こんな自分で起こせんもん乗ったらあかん！！！」

がーん




でも、
ごもっとも‥
教習車がいくら起こせても、バリ君が起こせなきゃ意味がない。



「こんなんなあ、かっこいいからってだけで起こせもせーへんもん乗ったらあかん！！」


バイク、かっこいいからってだけで乗ってるんじゃないのに‥！
マフラーの傷と、きっと心配が怒りになってくれてるんだと思うご主人に、ちょっと泣きそうになりました。


沢山お礼をいい、謝り、今日はもう帰ろうかな‥でもここまで来たなら展望台まで行きたい。と思った私は先を目指してまたが‥もうイヤーーー！！！！


説教もらったご主人の前で、
なんと二度目の立ちごけ。

ご主人「コラアアアアアアアア！！！」
わたし「‥‥‥（無言）」


次は左側にこかしてしまい、もはや言葉もありません。
しかもふと地面をみると、


クラッチレバー








折れました。


メソメソしていても仕方ないので、ご主人、でてきてくれたご婦人にも怒られながらバリ君を越します。





「おじさん、腰いためるよー！！」





顔を上げると、そこには、



ライダー。






どうやら駐車場に止まっていたバイクの持ち主であるライダーさんが自体を見かねて食事を中断し、出てきてくれたのです‥。





彼はさっさとバリ君を起こし、クラッチレバーみて「これなら大丈夫」と笑顔。
前のようにまた、ギアのチェンジペダルが中に入り込んでくれていたのを、工具でぐぐっと引き出してくれました。


感激‥！！！！



「まーだ新車なのに。何県からきたの」


「‥‥三重です‥」


「え‥」


「地元‥です」






「今日も練習に‥」


「そっか‥がんばって‥　」




助けてくれたライダーの、ちょっとあきれた微笑を背に、短くなったクラッチレバーを操作しながらゴールを目指します。
途中ステキスポットがあったものの、なんだかもう止まる勇気が出なくて止まれないまま、負傷したバリ君が心配です。
でも彼は、相変わらず快調にカーブを進むという大健闘。
運転しながらもバリ君を思わず抱きしめたい気分にかられます。
でも抱きしめたらそこで終わりだ！



対向車に会うことも、うしろから煽られることもなくゴールの鳥羽志摩展望台へ到着です！
待ち受けるパノラマと、数台のバイクにドライブにきた人たち、各々が同じ地で楽しんでいるなか、1人バイクを恐る恐る停車させ、コーヒーを飲み一杯。



ようやく少しだけ気持ちだけメソメソしました(-ω-､)
折れた破片を手のひらで転がしてみたり、バリ君の傷をチェックしたり、クラッチをべたべたなでて見たり。
ガソリンの筋がタンクに残っていたのでタオルで拭いて、あとは腰掛けてひたすらぼーっとしていました。

耳に入ってくるのは県外からやってきたファミリーの会話

「わーすごーい　水平線が見えるよー！」




水平線‥！
その言葉、久々に聞いたなあ、なんて思いながらも私にはもうバリオスしか見えない。折れたクラッチレバーしか見えない。バリ君、骨折してもいい男。

結局レバーが折れようが、傷がつこうが私はバリ君がとても男前に見えます。大好きだ。
たたずむ姿は横に止まってるドガさんに引けをとらな‥くはないかもしれないけど私はもう、もう、ぽにょ、そーすけ　すき！！くらい純粋に大声でオオイ、バリ君、好き！と　ヒイイイイイイ！！文字にしておきながら照れてきましたｷﾞｨｲｲｲｲｲ！
いや、バリ君好き発言が恥ずかしいのではなく、いい年してなにぽにょの真似を公共の面前で‥！ﾋｲｲｲｲｲ

そ、それにしても、メットを買う前にジャケット買えばよかったとひしひしと感じます。
なんてったって寒くて寒くて‥

そろそろ下ろうか、と思ったとき
見慣れたバイクが滑り込んできました。


((さっき助けてくれたライダーさん(｀・ω・´)！！))

そして私は、父より少し若いくらいと思われるライダーさんの背後から、駆け寄ろう‥かと思ったのですがちょっと恥ずかしかったのでそろそろと近づいていったのでした。

さて、長くなってきたのでちょっと休憩！






次回、オオイ　V-MAXと走る。





バイクブログ 初心者ライダー
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